鉄道会社の計画運休のメリットは何?目的は台風被害と帰宅困難者対策

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インフラ

今回は鉄道会社の計画運休のメリットについて紹介したいと思います。

 

台風が発生したことで日本列島に影響を及ぼす可能性が考えられます。これから台風シーズンでもありますが、昨年の台風で鉄道会社が計画運休を実施したことを覚えているでしょうか?

 

計画運休はJR西日本が先駆けで始めていましたが、昨年は関西の大手私鉄をはじめJR東日本でも台風の接近によって安全確保と被害抑制のための対策として計画運休を実施しました。

 

この記事では以下の2点について考えていきます。

鉄道会社の計画運休の目的

計画運休のメリットは何か?

 

鉄道会社の計画運休の目的とメリットについて紹介したいと思います。

鉄道会社の計画運休の目的とは

 

鉄道会社が実施する計画運休とは台風の接近に備え、事前に運休を利用者に通達し電車の運行を取りやめることです。昨年は鉄道会社で何度か計画運休が実施されました。

 

昨年の7月~10月上旬にかけて台風が日本列島に上陸するケースが相次ぎ、各地で大きな被害がでました。その中で鉄道会社がリスク管理として台風の影響が大きくなる前に電車を運休させたのが「計画運休」です。

 

学生や社会人にとって鉄道は通勤・通学手段として欠かせない存在ですが、運休となると移動手段がなくなり帰宅できない可能性が出てきます。

 

帰宅困難者を出さないために事前に運休することをメディアを使って通達し、電車が運休になる前に自宅に帰ってもらうのが鉄道会社の狙いです。

 

駅の改札口の前に看板が立てられていたり、電光掲示板での告知・駅員のアナウンスなど利用者に計画運休の旨を伝えてます。台風の進路予想によって運休計画は変わりますが、雨風がひどくなる前には電車を止めます。

 

鉄道会社の計画運休のメリットは何か?

 

鉄道会社が行う計画運休には3つのメリットがあります。

 

電車が運休になることで不便だと感じる人もいますが利用者にとっても鉄道会社にとってもメリットがありお互いにwinwinな部分があります。

 

鉄道会社と利用者にとってメリットであることをそれぞれ紹介します。

 

台風被害の抑制対策になる

 

1つめは台風被害の抑制です。これは鉄道会社にとってもメリットですが被害を最小限に抑えることは台風通過後の運転再開までの時間を短縮することに繋がります。

 

暴風が吹き荒れる中での電車の運行は非常に危険ですし、脱線のリスクも高まります。過去には強風で電車が脱線してしまった事例もあるので鉄道会社としては慎重になる部分でもあります。

 

2005年(平成17年)に起きたJR羽越本線脱線事故では突風と見られる風によって車両が転覆し、5人の死者が出ました。ダウンバーストや竜巻が原因ではないかと言われましたが、100%原因を突き止められたわけではありません。

 

後に局地的な突風が原因だと発表され、予測不可能な事態であったと結論づけられました。

 

過去に風による大きな被害が出ている以上、台風接近で暴風が予想される環境の中で電車を動かすのは危険であると思います。

 

仮にその状況の中で電車を動かして事故が起きた場合、鉄道会社が責任を問われることは予想が付きます。裁判を起こされるだけでなく、企業イメージの失墜・車両の喪失に加え、社員を失うことになります。

 

人手の確保

 

2つめは鉄道会社の人手の確保です。

 

車両や駅舎を始め、施設などにも被害が出る恐れがあるので被害が出た場合に迅速に対応できるようにするためには人手が必要となります。

 

架線確認や線路の確認など台風通過後に実施する安全点検には多くの人手が必要です。営業距離が長いほど人手は必要ですし、時間も掛かります。

 

台風の接近・上陸に対して備えるたえに電気関係や保線関係の社員を多く待機させる必要がありますし、運転士による車両確認も行う必要があるので運転士の待機要員も必要です。

 

鉄道会社にとっては人手を確保するという意味でも計画運休は有効なのだと思います。人手の確保が十分であれば運転再開も早く出来る可能性が上がります。

 

計画運休によって施設や車両への被害を抑えることで運転再開を少しでも早くすることや駅員・乗務員の確保がスムーズになります。台風被害を抑制するために計画運休を実施することは合理的であると言えるでしょう。

 

帰宅困難者対策

 

3つ目は帰宅困難者対策です。

 

利用者の安全確保と言う点でも計画運休はメリットになります。事前に運休を告知し、早めに帰宅してもらうことで帰宅困難者を出さないようにすることに繋がります。

 

台風が接近し、電車を動かせなくなると駅は大量の帰宅困難者であふれかえり大混乱に陥ります。そのような状況になってしまうと適切な対応が出来なくなり、場合によっては利用者は駅で夜を越さないといけなくなります。

 

台風が接近し雨風ともに強くなる前に帰宅を促すことでケガや事故の防止に繋がります。暴風雨の中を歩くことは危険ですし転倒することや体調を崩すことも考えられます。

 

本格的に天候が悪化する前に帰宅することは利用者にとっても安全です。暴風によって物が吹き飛ばされる可能性もあり当たると非常に危険です。

 

台風による、暴風や豪雨によって大きな被害が生じるのはこれまでの経験から分かりますし、その状況の中で電車を動かし、利用者にけがを負わせてしまったりすると責任を追及される恐れもあります。

 

利用者の安全を守ると言う意味でも有効な策であると思います。

 

まとめ

 

計画運休は台風の接近に伴い、被害の抑制や帰宅困難者対策など安全確保を目的として電車を運休させることだと言えます。被害を最小限に食い止めるための手段と鉄道会社は考えていると思います。

 

台風時の計画運休は利用者の安全を守るとともに鉄道会社のリスク管理にもなるのです。利用者にとっても危険な状態になる前に帰宅するよう促されることで自分の身の安全を守るというリスク管理になるのです。

 

鉄道会社による計画運休のメリットとしては

利用者の早期帰宅による安全の確保
車両及び施設等への安全対策
人員の確保(被害が出た際の迅速な対応の為)
災害リスクの軽減

 

これらが挙げられます。何をするにしても安全が最優先されるので計画運休は合理的な対策であると思います。

 

メリットがある一方でデメリットもあるのでいかにデメリットを抑えるかがカギとなります。

 

昨年9月の台風では関西空港に繋がる橋の上でトラックが横転し、転がるという衝撃の映像が公開されました。比較的大きなトラックが風によってひっくり返ること自体が驚きですが、自然の脅威は人間が予想する以上に強力なものであるとも思います。

 

安全最優先であることを考えると計画運休は致し方ない事でしょう。

 

 

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