奨学金の返済を制度の悪用で免除条件を満たし不正受給する手段?

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時事ネタ

こんばんは。今日のニュースで裏技を使った奨学金の返済逃れについて取り上げられていたのでそのことについて書いていこうと思います。

後でも紹介しますが、こちらの記事に書かれています。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00000063-asahi-soci

 

現代の日本は昔に比べると大学への進学率が男女ともに大幅に上がり、今や大学に進学することが珍しい事ではなくなっています。

大学進学率の大幅な上昇には奨学金制度の拡大が少なからず影響しています。奨学金の返済逃れについて書く前に奨学金についてまとめていこうと思います。

 

奨学金制度とは大学入学後から選択した年間支給額に応じて毎月、支援金が支給される制度です。奨学金制度にも種類があり、利子なしの第1種奨学金、利子ありの第2種奨学金がメジャーなものです。

中には返済不要の奨学金や大学独自の奨学金制度がありますが、ほとんどの場合が大学卒業後に返済義務の生じる奨学金制度です。

 

第1種奨学金を受給するには個人の成績の条件に加えて、家庭の経済力が審査対象となります。いくら個人の成績が良くても家庭の経済力の条件が満たされない限り、受給されることはありません。

家庭の経済力の基準がはっきりとは分かりませんが、基本的には成績優秀者でかつ家庭の経済力が弱い人が受給できる奨学金です。

 

第2種奨学金は条件を満たせば誰でも受給できるので第1種奨学金に比べるとハードルは下がります。ただ、利子が付く分返済額は多くなるのも特徴です。

 

現在、大学に在籍していて奨学金制度を利用している学生の大半が第2種奨学金制度を利用しているのが現実です。

 

奨学金制度ではトータルの支給額の選択肢が複数あります。

ここでは第2種奨学金の支給額について整理していきます。第1種奨学金については説明を割愛します。

 

下の表は第2種奨学金の支給月額を種別ごとに分けた表です。ちなみに下の表は平成25年度のデータですので現在とは少し異なるかもしれません。

種別 奨学金貸与月額
高等専門学校(第4.5学年)短期大学

大学・専修学校専門課程・通信教育

)3万・5万・8万・10万・12万円から選択
大学院修士課程・博士前期課程・専門職大学院・博士後期課程・博士医・歯・獣医・薬師課程 )5万・8万・10万・13万・15万から選択
私立大学の医学・歯学・薬学・獣医学 医学・歯学課程(1)の選択肢+16万から選択

薬学・獣医学 (1)の選択肢+14万から選択

 

法科大学院の法学を履修する課程 (2)の選択肢+19万・22万から選択

私も大学在学時は第2種奨学金制度を利用していて、現在は毎月、奨学金の返済をしています。私の場合、支給月額は8万円だったので4年間で384万円を借りました。

 

現在の返済額は毎月1万7千円ほどです。単純に借りた額が大きいほど毎月の返済額も大きくなります。1万7千円程とは言え、毎月給料から引かれると結構痛い出費です(>_<)

 

しかし、奨学金を借りた以上は返さないといけないので毎月、返済しています。

おそらく奨学金を借りた人のほとんどは私と同じように就職後、毎月返済していると思いますが、中には奨学金制度を悪用して奨学金の返済を逃れている人もいるようです。

 

奨学金制度の裏技を使って、逃れているので違法ではないと主張しているようですが倫理的にどうなのかと思います。

奨学金返済逃れについて書かれた記事です。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00000063-asahi-soci

 

記事では30代男性の事例を取り上げています。

私立大学在学中にトータルで700万円の奨学金を借りたにも関わらず、約6年も返済をしていないとのことですが、月3万円の返済を6年もしていないとなると246万の返済を滞納していることになります。

月収は15万円程でアルバイトをしながら資格勉強に励んでいるようですが、返済能力があるにもかかわらず返済していないのはおかしいと個人的には思います。

 

「借りた金を返すのは筋だが、返済すると生活できない。『裏技』は自衛の手段。違法ではないので、利用している」と話す。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00000063-asahi-soci

 

こんな考え方が許されるものでしょうか?この言い分が通るのであれば、真面目に返済している人からすれば腹立たしい以外ありません。違法ではないからやっていいことでもないはずです。

 

この言い分を認めれば、不正受給を認めることになります

 

日本学生支援機構の奨学金制度には条件を満たせば返済免除や返済の遅延を認めてくれるものがあります。

JASSOには、大学などに在学中は返済が猶予される制度があり、男性は私大卒業後、通信制大学に在籍することで返済を猶予されている。通信制大学の学費は、入学金と授業料を合わせても年数万円程度で、返済額より大幅に安い。在学期限は10年までだが、「生涯学習」をうたう同大は何度でも再入学が認められている。一般の大学と異なり、単位取得が在学の必須条件ではない。

JASSOの規定には、本人が死亡した場合、返済が免除される条項もあり、籍を置き続ければ、最終的には奨学金が免除される。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00000063-asahi-sociより引用

 

記事でも述べられているように、奨学金の返済は在学中は返済が免除されます。実際の返済は卒業してから半年後なのでその間は卒業後も返済はありません。

 

他に返済免除や減額処置が認められる場合として奨学生本人が災害や傷病・失業等で経済力が維持できない場合、手続きを行えば減額あるいは免除を申請することができます。

 

しかし、この男性の場合はケガや病気で働けないわけでもなく、アルバイトをしているので失業しているわけでもありませんが、通信制の大学に籍を置いているので在学中という扱いになります。

そのため奨学金返済が発生しないようになっているのです。

 

男性が籍をおいている通信制の大学は再入学が可能なため、理論上は生涯在学中の状態を保つことができるので奨学金の返済が始まらないことになります。

 

奨学金制度の抜け穴を利用した裏技で返済を免れている人は他にもいるでしょう。日本学生支援機構は奨学金制度の見直しを実施するべきです。

 

奨学金制度の抜け穴を利用した奨学金の不正受給が蔓延する可能性があるのでこの抜け穴を認めるわけにはいかないでしょう。

 

この男性が利用している裏技が広まると奨学金制度が成り立たなくなっていきます。

 

最近では奨学金返済が出来なくなり、自己破産してしまうケースがテレビや新聞記事でも報道されるようになりました。

 

大学を卒業して半年後から奨学金の返済が始まるため、「大学を卒業すると同時に大きな借金を背負う若者が増えている」というような報道がされ、奨学金制度は悪いイメージがついてしまっているのが現実です。

 

奨学金=借金、奨学金制度=学生ローンといったイメージや風潮がありますが、現実的には間違ってはいないと思います。

本来、奨学金制度というのは大学で学びたいが経済力が弱い人の為に創設された制度のはずです。それが今では制度の抜け穴を利用した違法ビジネスのような形式に変わってしまっている部分があると思うと残念でなりません。

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