こんばんは。今回は鉄道会社の有料座席車両について書いていこうと思います。
近年、鉄道会社は有料座席の導入を進めていて、通勤時の着席ニーズや利便性の向上を目指しています。今年に入りJR西日本が新快速電車に有料座席を導入すると発表するなど首都圏だけでなく関西圏でも有料座席の導入が進みつつあります。
以前の記事でJR西日本の有料座席や首都圏の鉄道会社の有料座席サービスについて書いた記事です。http://interior-zakka95.com/2018/10/24/jr西の新快速電車の有料指定席の需要と区間や設備/
運賃に追加料金を支払うことで必ず座席に座れるようになるので疲労している時や荷物が多い時は座りたいと思いますよね。
例として東武鉄道の東武東上線で運行されているTJライナーを挙げます。TJライナーは朝は池袋方面の上り、夕方以降は池袋から森林公園方面に向かう下りで設定されています。上りと下りで料金が異なるのもTJライナーの特徴です。
上りの場合は大人・子供410円でふじみ野駅から乗る場合は310円になります。
下りは大人・子供310円という料金設定です。
TJライナーの場合はワンコインで確実に座席に座れることを考えれば、非常に楽だと思います。平日の池袋発の下りに13本運行があることを考えるとそれだけ需要があると言えます。
平日夜の下りは30分に1本間隔で池袋発があり、最終のTJライナーが0時00分発なので残業で遅くなっても池袋周辺で飲んでも問題ありません。
首都圏の鉄道会社が有料座席を導入している流れに乗ってJR西日本でも導入される予定になっているなど有料座席の導入で利便性や沿線価値の向上を各社が図る中、今後の課題も明らかになっています。
今日の昼の記事で鉄道会社の通勤ライナーについて書かれていました。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181220-00000058-sasahi-life
都心へのアクセスと利便性向上で有料座席を導入するのは乗客数を増やすだけでなく沿線の付加価値向上によって不動産事業や商業施設の拡大を狙うことでグループ会社全体で沿線開発に取り組むことが出来るというメリットがあります。
グループ会社と連携することでそれぞれの強みが活かせる環境を分担することが出来ます。専門分野に特化することで最大限の力を引き出せますし、グループ全体でのシナジー効果も大きなものとなります。
鉄道会社は鉄道事業以外にも多くの事業を手掛けていることが多く、グループ化して複数の会社に分かれていることが多いのでシナジー効果を最大限に高めることができる環境にあると言えます。
一方でどんなこともメリットがある以上、デメリットも存在します。記事でも書かれているように今後、少子高齢化に伴う人口減少で利用者自体が減少していくことが考えられます。
また、働き方改革が進めば時差出勤や在宅勤務が促進されると鉄道の利用頻度が減り、混雑が緩和されることが考えられます。そうなれば有料座席の存在意義も薄れますし、通勤ラッシュもかなり環境が良くなると言えます。
通勤ラッシュが改善されることは利用者にとってうれしいことですが、収益の点から考えると減益になるので鉄道会社は頭が痛い問題です。
「混雑率は改善したいが、収益は下げたくない」という考えの中で有料座席の導入は混雑率の緩和と収益の向上を狙える政策でしたが、働き方改革という大きな壁に立ちはだかっています。
人口減少に伴う利用者全体の減少に加えて、働き方改革による在宅勤務や時短勤務が一般化すれば鉄道の需要そのものがさらに減少していきます。そうなれば運輸収入が減少するだけでなく、不動産事業や商業施設の収益も悪化することが予想できます。
鉄道会社が今、取り組まないといけないのは着席保証以外のサービス向上や働き方改革にあったサービスの提供であると言えます。前者は取り組みやすい環境ですが、後者に関しては現状、はっきりしていない部分が多いのですぐに対応することが難しいです。
有料座席の導入で着席保証はされますが、それ以外のサービスという点で魅力に欠けると思います。窓側にコンセントが付いている場合もありますが、決め手には欠きます。
鉄道会社によって営業距離が違うので一概には言えませんが、新幹線のサービスである車内販売を導入するのはどうかなと思います。電車の乗車時間が30分以上あれば、時間はありますし暇だと感じることも多いのではないでしょうか?
車内販売があれば、通勤時に座るだけでなく食事を食べれるので需要はあると思います。朝にコーヒーやサンドウィッチ・パンなどとセットで発売すれば移動中に食事が出来るので朝の早い時間帯や時間がない人にとっては有難いサービスです。
コーヒーなどのドリンクと軽食の車内販売があれば利便性がより増して、リピーターを確保しやすくなると思います。他の鉄道会社の在来線の有料座席との差別化にもなりますし、インパクトも強いです。
車内販売は着席保証以外のサービスとしての案の1つですが、利用者の確保という点と働き方改革という変革にも対応できると思います。
今後、有料座席をより活かすためには働き方改革への対応と着席保証以外の魅力的なサービスの提供が課題となります。鉄道の通勤ラッシュ時間帯の混雑緩和への策として導入されていますが、新たな問題に直面しています。
有料座席のニーズに応えるとともに利便性の高いサービスを提供することが沿線価値の向上にも大きな影響を与えてきます。
既存の着席保証に新たなサービスを提供することが有料座席の存在意義や価値の向上に繋がるとともに鉄道会社同士の競争の中で突破していく戦略になると言えます。
有料座席のサービス向上は利用者の確保と収益の向上に欠かせませんが、鉄道単独では沿線価値の向上や沿線開発を促進することは難しいのが現実です。グループ会社との協力がなくては大きな成果を得ることは難しいと言えるでしょう。
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