今回は現在建設が進められているリニア新幹線についてです。
JR東海が工事を進めているリニア新幹線ですが、静岡県知事の圧力発言とも言えるような主張がありました。
今日の夕方の記事です。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00050213-yom-soci
リニア新幹線を巡っては大手ゼネコンの問題も合ったりと波乱が多い印象です。
静岡県のトップがリニア建設の代償を求める発言をした以上、今後JR東海と静岡県の関係にも支障をもたらす可能性も考えられます。大井川の水量減少問題による工事への影響は避けれない可能性があります。
川勝知事の発言の目的と理由は何なのか考えてみました。
川勝知事のJR東海に求める代償とは
今日の夕方の記事で紹介されている川勝知事の発言です。
知事はJR東海に求めている「代償」について、記者団に「地域貢献ということだ。(中間)駅をJR東海が負担して(沿線他県に)作る金額がひとつの目安になる」と述べた。JRに工事同意に対する経済的な見返りを改めて求める姿勢を示した。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00050213-yom-sociより引用
記事全体を読んでみると
「静岡県以外に設置予定のリニア新幹線の駅の費用ぐらいは静岡県にお金をよこせ!」
このようにも取れる発言です。相手に圧力を掛けているような発言を自治体のトップが発言するのもいかがなものかと思います。印象を悪くするだけにしか思えないです。
記事をまとめると「圧力」とも言えるような発言をJR東海に対してしているようにしか見ません。
JR東海と静岡県の公式な協議で「代償」を求めるような発言はなかったことを考えれば、何を思ったのか疑問です。突然の爆弾発言にJR東海だけでなく静岡県や他府県の関係者も驚いたでしょう。
名目は大井川の水量減少の対策だが…本当の目的は
記事でも紹介されていますが、リニア新幹線の工事に伴う大井川の水量減少の懸念とその対策をJR東海に求めていますが本当の目的は別にあることが予想できます。
南アルプスのリニア工事によって大井川の水量減少の懸念は静岡県だけでなく大井川を流れる流域の地域にとっても大きな問題になるのは事実です。水量減少の対策は当然、JR東海も実施するべきです。
しかし、1つ疑問があります。
なぜ今頃、静岡県がJR東海にリニア新幹線の代償を求めることが出来るのでしょうか?
そもそも工事がかなり進んできている段階で発言することでしょうか?重要な話なら決まる前にするべきでしょう。
JR東海と協議はこれまで何度もしているはずですし、工事の代償を求めるなら協議の場で話せばいいはずです。リニア新幹線の駅が建設されないことに対する報復と考えられても無理はないでしょう。
そもそも静岡県内にリニア新幹線の駅を設置するメリットがあるのか疑問です。
ただお金が欲しいがために難癖をつけているだけにしか思えません。大井川の水量減少を本気で懸念しているなら新駅の見返りを求めるようなことは言わないでしょう。
本当の目的は静岡空港直結の東海道新幹線の新駅設置と推測されていますが、その可能性は十分に考えられますが他にも選択肢があると言えます。
他の可能性としては県の財政環境の改善や「のぞみ」の静岡駅停車でしょうか?
可能性は低いと思いますが、静岡県の財政改善のためにJR東海から金銭的支援を受けようと言う考え方も出来ます。
しかし、経済支援が本当の目的だと各方面から袋叩きに合う可能性が高いです。民間企業に財政支援を要求するなどあり得ないことです。静岡県のイメージは最悪になってしまいます。
もう1つの可能性は「のぞみ」の静岡駅停車です。
現在、「のぞみ」は静岡県内の駅には止まらないので代償として停車しろと言うこともあり得ます。今は新横浜を出ると名古屋まで停車駅がない状態なので静岡県が泊めてくれと言うのは分からなくはありません。
しかし、圧力とも言えるような態度で要求することがおかしいです。人にものを頼む態度ではないので話にならないでしょう。
真の目的が何であれ、大井川の水量減少問題とは分けて考えるべきでしょう。
静岡県とJR東海の関係性は大丈夫なのか?
いきなり、圧力とも言える発言を受けたJR東海からすれば静岡県のイメージは悪化したでしょう。大井川の水量減少の対策の話なら分かるでしょうが、その代償に「金よこせ」と言われたら印象は最悪です。
JR東海からすれば「なぜ公式の会議で話をしないのか?」となります。工事が進み、中止出来ない状況の中での川勝知事の発言です。
大井川の水量問題と新駅設置は関係ないはずです。これまで大井川のことを考えていなかった静岡県の無策の責任をリニア新幹線工事に押し付けているだけではないでしょうか?
大規模な工事が大井川の水源近くで実施されることが分かっていたなら調査は早くするべきだったでしょう。工事が始まる直前に言うなど、これまで何もしていなかったのが丸わかりです。
リニアのルート変更の要求も
12日の記事で川勝知事がJR東海に対してリニア新幹線のルートを変更するよう要求していることも紹介されています。予定では南アルプスを通るルートですがこれを変えろという無謀な要求です。
12日の記事です。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190612-00000002-at_s-l22
何を今さら言うのが正直な感想です。変更が不可能になってから言い出してもどうにもならないですし、リニアのルートの構想段階で発言するべきことです。
長野県がリニアのルートを巡り、わがままだと批判されたことがありますが決まる前であったので意見を言う分には問題はなかったはずです。
しかし、ルートが決まった後で文句を付けるのはおかしいです。
変更が無理と分かっている状態で文句を付けると言うことは何かしら裏の目的があるのは間違いないでしょう。
他府県と静岡県の差がくっきり
リニア新幹線を誘致するために他府県は必死にPR活動をしているのに対して静岡県の反応は上から過ぎるような気がします。要望を出すなら言い方も考えるべきでしょう。
特に関西はリニアの必要性を行政も必死で訴えて、JR東海にPRしています。JR東海からすれば関西の地域と仲良くする方が静岡と仲良くするよりもメリットは大きいでしょう。
東海道新幹線のダイヤ改正などでも関西の地域の要望を静岡よりも優遇する可能性は高くなるでしょう。
川勝知事の圧力とも言える発言に対する報復として、静岡県内の駅に停車する「ひかり」の本数を減らされる可能性もゼロではないでしょう。
あまり揉めない方がお互いの為になると思います。
圧力とも取れる発言の今後の影響は
今回の静岡県知事の発言は今後の静岡県とJR東海の関係性にも悪影響が出るでしょうし、知事の人望や手腕への不満も増える可能性があります。
自治体のトップが民間企業に圧力とも取れるような発言をすることはトップとしての素質を問われることに繋がります。次の選挙戦にも響く可能性もありますし、経済的支援を求めること姿勢も批判の対象になるでしょう。
少なくとも、リニア工事に伴う大井川への影響を調査するのが遅れていたのは事実ですし、静岡県側の無策とも言える失態は否定できません。
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