こんばんは。今回は学生の就職活動について書いていこうと思います。
あと3週間ほどで2020年入社の学生の就職活動が始まります。3月1日の解禁を前に履歴書の作成や自己分析・企業研究に追われて慌ただしくなっている就活生も多いと思います。
大学の就活セミナーや企業説明会に参加している就活生も多くなってきている中、学生が就職活動で企業を選ぶ基準として自分自身の成長を求めているという記事がありました。
学生が給料や福利厚生でなく、将来性を見据えて自分自身の成長を企業選びの軸とする理由は一体何なのでしょうか?また、自分自身の成長を求める学生が増えた背景には何があるのかも考えていきたいと思います。
今日の19時前に出た記事です。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190210-00000102-kyodonews-soci
記事によると、企業選びで自分自身の成長を求める学生が約5割いると紹介されています。福利厚生や給料を抑えてトップになっていることには驚きました。
私が就活をしていた時は自分自身の成長より勤務場所を重視していました。東京への憧れもなく、実家から通勤できる範囲を基準に就職活動をして、今の会社に就職しました。
給料や福利厚生も気にしていましたが、何より転勤場所も限られていることは魅力的でした。個人的に全国転勤することは望んでいなかったので転勤で単身赴任の可能性がないことも重視していました。
短いスパンで全国を転々とすることに意味があるのか疑問ですし、負担になるだけなので全国転勤を繰り返すことには反対の人間です。自分の周りも全国転勤をいいと考えている人が少なかったのも影響しているのかもしれません。
さて、学生が自分自身の成長を最大の決め手にするのには2つの理由があると思います。
1つ目の理由は経済環境の変化で会社の存続自体に不安を覚える人が増えたことが挙げられます。このような考え方をする人が増えたのは時代の変化に伴う環境の変化が大きな要因となっています。
経済成長が止まり、失われた20年と呼ばれる長期間にわたるデフレに陥った日本では銀行・証券会社の相次ぐ破綻や名の知れた大企業が倒産するなど、会社の将来に不安を抱える人が多くなっていた時代でした。
経済成長が止まったことは企業の業績悪化の原因となり、人件費削減のために採用人数を抑えるようになりました。その結果、学生の就職率は悪化し就職先が見つからずフリーターや無職の身になる人が増えてしまいました。
特に2008年に起きたリーマンショックでは内定を取り消される学生が相次いだことや、派遣切りが横行したことで社会問題にもなりました。
私は当時中学生でしたが、テレビで派遣切りに遭って仕事も住居も失った人々が東京都内の年越し村と呼ばれる場所に集結して年を超えるという報道を見ました。
自分の親は大丈夫なんだろうかと思っていましたし、学校で派遣切りやリーマンショックの話が出ていたことを覚えています。今考えれば、中学生が難しい話をしていたなと思います(笑)。
今の20代はリーマンショックのことを知っている人が多いことが自分自身の成長を求めることに繋がっているのではないかと推測できると思います。
新卒の離職率のデータやリーマンショックで起きた事例を知っている人は定年まで同じ会社で働ける保証がないと考えている人が多いと考えられます。自分自身の価値を高めることが今後の社会で生き残る方法だと考える人が多いのでしょう。
2つ目の理由は労働に対する考え方の変化です。休日出勤やサービス残業などプライベートを削ってでも会社の為に奉仕する滅私奉公と言う昭和の考え方が受け入れられなくなり、その体質が残る企業はブラック企業と批判される時代になりました。
経済環境が悪化したことが2つ目の理由を生み出した原因の1つでもあります。会社の為に働けば働くほど給料が上がっていた経済成長の時代と異なり、働いても給料は上がらず長時間労働が常態化している企業が増加しました。
コンプライアンスの遵守と言う昭和の時代にはなかった概念が誕生し、労働環境について考え直す企業が増えたことで労働に対する考え方が変化したとも言えます。
最近、有名企業で新入社員が過労死した事件が報道されたことで長時間労働に対する批判が強くなり、職場環境の改善のためにコンプライアンスの遵守が叫ばれるようになりました。
ワークライフバランスを重視する若い世代が増えたことでこれまでの労働方法に対して疑問を覚える人が増えたと考えられます。日本社会を取り巻く環境の変化に対応するためには既存の働き方を変えないといけないと思う人が増えていると言えるでしょう。
今の安倍政権になって女性の社会進出や働き方改革と言った政策が打ち出され、日本社会の古い体質を改善して人手不足という問題解決に向けた動きが出てきました。
若い世代がワークライフバランスを重視する割合が増えていることもあり、コンプライアンスの遵守や長時間労働に対する考え方を改めない企業は今後淘汰されていくと予想できます。
学生が自分自身の成長ができる環境を求めるのは将来性を意識する人が増えていることを意味しています。この考え方をする人が増えたのは日本社会を取り巻く環境の変化が大きな要因であると言えます。
学生が就職活動で重視することが将来性であることを企業は意識して、職場環境の整備と採用計画を考えないといけません。学生が重視することを意識しないと興味を持ってもらえず採用計画が予定通りにいかなくなる可能性が高くなります。
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