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企業の不祥事の原因は現場環境?品質不正の背景に日本の組織体質

今回のテーマは企業の不祥事についてです。

 

最近は日本の有名企業の品質不正による不祥事が多発しており、日本企業の信頼性が低下してきているように感じます。

 

品質の高さが売りにしていた企業が基準を満たしていないと知りながら発売していたとなると組織体質が疑われることになります。

 

この記事では以下のことについて考えてみました。

企業の不祥事の原因

不祥事を起こした企業の組織体質

 

近年はコンプライアンスの遵守が叫ばれるようになっており、品質不正による企業の不祥事は世間から厳しい視線を浴びます。高品質を売りにとする日本企業で不正が相次ぐ原因はいったい何なのでしょうか?

企業の不祥事の原因は現場環境にある

 

最近の報道で取り上げられている日本企業の不祥事は現場での品質不正です。企業で不祥事が起きる原因としては

 

経営陣が現場サイドに無理な要求を押し付けていることが考えられます。

 

品質不正による不祥事が多発している日本の場合は当てはまるのではないでしょうか?

 

今年に入り、神戸製鋼やスルガ銀行の不祥事を見ると、上からの無理な要求が現場を追い詰めてしまい、不正の発生に至っています。

 

昨日の産経新聞の記事で新たなKYBの不正が取り上げられています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181019-00000541-san-soci

 

KYBが不正をした背景として次のように記事で書かれています。

 KYBによるデータ改竄(かいざん)問題で、不正を誘発した背景には相次ぐ震災で自治体などが建物の免震化を進め、装置の需要が急激に伸びたこともあるとみられる。KYB側は需要増に応じた適切な人員配置をせず、納期に間に合わせるため、不適合品を調整し直さないままデータを改竄していた。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181019-00000541-san-sociより引用。

不正の原因として相次ぐ災害によって建物の耐震対策が急がれるようになったために供給が間に合わなくなったという要因があるようです。

 

確かに2011年の東日本大震災以降、熊本や関西・北海道胆振地方での地震や7月の西日本豪雨をはじめ、台風の上陸による豪雨や暴風による被害が増えるなど自然災害の脅威が高まっているのは事実です。

 

自然災害が発生するとインフラや建物に大きな被害が出る可能性も高く、安全面を確保するためには建物の耐震性の強化やインフラの耐久力を高める必要があります。

 

自然災害の脅威に対応するために、耐震対策を進める企業や国の機関が増えるのはある意味で当然なのかもしれません。

 

ただ、納期に間に合わないからといって基準に満たない商品を出荷することやデータを書き換えることが許されるわけではありません。

 

納品後に地震や台風などの自然災害によって商品の不正が発覚した方がもっと最悪です。納品後の不正商品で相手方に大きな損害を与えてしまえば、訴訟を起こされるのは避けられませんし、世間の印象も最悪です。

 

品質が足りていないと分かりながら納品し、訴訟を起こされたとなるとまず勝ち目はないでしょう。そもそもが詐欺行為である以上、犯罪であることに変わりはありません。

企業の品質不正の背景に日本の組織体質

 

日本企業の不祥事の背景には組織体質の問題があります。報道でも取り上げられる人手不足や低賃金による雇用などの問題があります。

 

ブラック企業というワードが出現し、過労死や労災など劣悪な労働環境に対して反発する流れも起きるようになっています。大手企業での若者の過労死が企業の労働環境に疑いの目を持つようになった時代になったと言えるでしょう。

 

不祥事の背景には人手不足と労働環境の問題があると考えられます。

 

人手不足の問題

 

KYBの場合、商品の検査を一人で行っていたとのことで周りに監視する人がいない以上、不正が起きる可能性が高いのは目に見えて分かります。まずいことが起きても、事実を知るのは一人だけなので周りにも隠すことができるので外部から発見しにくい状態にあります。

 

作業を行うのが1人というのは人手不足で他に人がいないと考えることも出来ます。複数人で取り組み、チェックできる環境がなかっのでしょうか?

 

検査の労力を惜しんで、データの書き換えて納品していたことは許されない行為ですが会社の経営方法と管理体制にも大きな問題があります。

 

企業は利益を求めるあたり、人件費を抑えようとすることが多く人員不足に陥ることが多いです。近年、日本企業で人手不足が叫ばれるのは人件費を削減するあまり、一人当たりの負担が大きくなることで離職する人が多いからでしょう。

 

その上、賃金も抑えようとするので離職者が多いのはある意味で当然です。従業員を大切にしない企業に人が集まるはずがありません。

 

労働環境の悪化

 

日本企業の不正が相次ぐ背景には現場環境の疲弊があります。現場が疲弊するのはこれまで現場を軽視してきたからであり、長年のツケが品質不正という形で会社に跳ね返ってきているのです。

 

不正の温床となるのは労働基準法が守られていない現場環境です。

 

人手不足で変わりがおらず、募集しても賃金が安いから来ないことで休日出勤が常態化している企業も少なくありません。休日が取れない環境では現場で働く人の不満が溜まりますし、離職者も後を絶たないでしょう。

 

経営陣が現場環境を無視し、高品質の商品を無謀な納期で作らせていることが現場に大きな負担を与えてしまい、不正の温床となってしまっているのだと思います。

 

まずは経営陣が現場の労働環境を理解し、労働基準法を遵守した環境を整えることが第1歩です。現場の人のモチベーションを上げることで士気も上がりますし、雰囲気もよくなります。

 

最後に

 

企業の不祥事の背景には人手不足や労働環境の問題があります。これらの問題を解決しない限り、不祥事が消えることはないでしょう。

 

また、不祥事を起こさないためには現場で対応できる範囲での注文の受注をしなければいけません。キャパを超えてしまうと納期に間に合わせようとするあまり、品質が不十分な状態で納品されることに繋がります。

 

受注の段階である程度、余裕をもった納期を決めるのが無難ですが、プレッシャーによって出来ないことも多いのが現実です。

 

品質の不正による不祥事を防ぐ対策としてはコンプライアンスの遵守の他、経営陣や管理部門の余裕を持たせた納期を決めることが求められます。

 

 

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