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有給が取れない理由は会社の雰囲気や労働環境問題・人手不足?

こんばんは。今回のテーマは有給休暇についてです。

 

会社勤めをしている人が気になる有給休暇ですが、会社の雰囲気が取らせてくれそうにないように感じることがある人も多いのではないでしょうか?

特に若い世代ほど有給休暇を取りづらいと感じやすいかもしれません。上司の顔色を伺うあまり、有給を消費できずに有給自体が消滅してしまった人も少なくはないと思います。

入社して、しばらくは上司に「有給取ります」と言いづらいですよね。特に上司が有給を取らないと新入社員は口に出しにくいのも現実です。

 

職場の雰囲気で有給を取りづらいと感じる以外にも、今日では人手不足で有給休暇を取らせてもらえないという事例も出てきています。人手不足が当たり前のように叫ばれる日本ですが、業種別にみると有給取得率の差が大きいというデータがあります。

 

今日の時事通信社の記事です。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181023-00000068-jij-pol

 

こちらの記事では2017年度の有給取得率と業界ごとの差について書かれています。

 

3年連続で有給取得率は上がっているものの、それでも51.7%しかありません。この数字が過去2番目に高い水準であること自体、日本社会が有給休暇を取ることを良しと思っていない証拠だと考えられます。

 

日本社会は「残業すること=美徳」「サービス残業は当たり前」というブラック企業の特徴である事柄を当たり前のことのように認識しているのです。

 

最近でこそ、改善され始めていますが、それでも会社に根強く残っているのは否定できません。

 

会社の雰囲気で取れないという場合は会社や上司がブラック企業の体質を当然のことのように考えている可能性が高いです。

 

特に上司が昭和の時代からの企業戦士であればなおさらでしょう。サービス残業・滅私奉公が当然だった昭和の価値観を持っていると有給休暇を取らせてもらえないことも十分に考えられます。

昭和からの企業戦士みんなが当てはまるわけではありませんが、その傾向が強いと実際に働いているとそう感じます。

 

一方で人手不足が原因で有給休暇が取れない場合は会社自体の経営術に問題があるでしょう。そもそも人手不足に陥るまで対応を怠ったわけですので因果応報ですが、そのツケは現場の人や若い世代に押し寄せることが多いのです。

 

「人手不足・人手不足」と叫ぶ会社ほど何も対策をしていないことが多いのではないでしょうか?

 

事象が起きるのは何らかの原因があります。人手不足であっても、その事態に陥るまでには原因があります。人手不足と叫ぶだけで原因を追究せず、現実を見ない会社はいつまでもこの問題を解決することはできません。

 

さて、記事では業界別の有給取得率が紹介されていますが、そこにはある特徴があります。

 

業種別の取得率を見ると、最低は宿泊・飲食サービス業の32.5%。卸売・小売業、生活関連サービス・娯楽業、建設業も30%台半ばから後半と低く、いずれも最も高かった電気・ガス・熱供給・水道業(72.9%)の約半分にとどまった。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181023-00000068-jij-polより引用

 

上記から考えるとインフラ系は有給が取得しやすいのに対し、サービス業は取得しづらいということが分かります。労働環境の良い業界と悪い業界のイメージ通りではないでしょうか?

 

特に飲食業は離職率も高く、人手不足に陥りやすい業界です。飲食業に関しては店をアルバイト・パートで運営していることが常態化していますし、非正規雇用の人に依存している割合が非常に大きいです。

 

店長は社員ですが、店舗で社員は店長のみで1人で従業員の勤怠管理や店の運営・本社とのやり取りを行わないといけないことも多く、精神的にも肉体的にも大きな負担です。

 

私の会社の他部署で前職が飲食店の店長をやっていた人がいますが、飲食店の社員は身も心もボロボロになって辞めていくという話を聞きました。その人も本社からの理不尽な要求で追い詰められて体を壊し退職したと話していました。

 

飲食業は労働環境が悪いことが多く、人の出入りも激しいので安定した運営が難しいという現実もあります。人件費を抑えるために非正規雇用の人を雇いますが、入れ替わりが多いので問題を共有できないことも多いのです。

 

その一方でインフラ系の企業は就活生からも人気が高く、安定しているというイメージがあります。離職率が低い会社が多いので比較的ゆとりを持った運営ができるのではないでしょうか?

 

どの業界でもありますが、現場の現実を知らない本社が机上の空論で運営を押し付けるからこそ、離職率が下がらず人手不足に苦しむのが実態です。

 

現場のキャパを超えたことを実施しようとすると耐えられなくなり従業員がどんどん辞めていく負のスパイラルに陥ります。

 

人手不足が起きる背景には現場の実態を理解していない経営陣の理不尽な要求や労働環境の不整備に加え低賃金での労働による不満の蓄積があります。

 

人手不足に悩まされている会社はこれまでこれらのことを無視してきたからであってその報いを受けているだけにすぎません。人手不足に悩まされていない会社は現場を理解した上で労働環境を整えてきているからです。

利益のみを求めた経営方法はいずれ破綻します。コンプライアンスや働き方改革が叫ばれる現代社会では昔ながらの方法では生き残れません。お客様目線・顧客主義を求めすぎるあまり、社員のことを疎かにしてきた結果が人手不足という事態を招いているのだと思います。

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