今回はやりがい搾取される仕事の働き方についてです。
社会人として会社勤めをしている人であれば、一度は自分の仕事のやりがいについて考えたことがあるのではないでしょうか?
「やりがいがあって楽しい」と感じている人もいれば「やりがいがないし、仕事がつまらない」と感じている人もいるでしょう。後者の方が多いような気がしますが、感じ方は人それぞれ異なります。
最近になって、働き方改革が叫ばれるようになり労働時間の見直しやこれまでの働き方を考え直そうと言う動きが広がっています。
働き方改革が広がっていく中で「ブラック企業」や「長時間労働」・「サービス残業」というワードに反応しやすい環境になっているのは事実です。
今月、阪急電鉄が働く人たちの言葉を集めた「はたらく言葉たち」が「ブラック企業を連想させる」「不愉快だ」と批判が殺到し、企画の中止に追い込まれたことがその事例とも言えます。
「やりがい搾取」や「若者の過労死」、「長時間労働」と言ったワードが報道でも取り上げられるようになりましたが、仕事のやりがいとは何なのか考えてみました。
仕事のやりがいとは何なのか?
そもそも仕事のやりがいとは何なのかという疑問が出てきます。業種によって仕事の内容も異なりますし、その中でも業務は異なります。
人によって仕事のやりがいの感じ方は違いますが、共通していることは
誰かの役に立てたことを自分自身が感じること
ではないでしょうか?
会社に所属する以上は他人と共同で仕事をすることが多いのは当然です。仕事は自分以外の人が関わることが多く、自分以外の人にも影響があるのは事実です。
自分の仕事のチェックを上司にしてもらうことは多いですよね?連絡・報告・相談はしっかりしなさいというのは他の人に迷惑を掛けないためでもあると言えます。
上司の役に立てたこと
会社で仕事をしていると上司から手伝ってほしいと頼まれることは珍しくないと思います。頼まれたことが緊急性が高い仕事であるほどやり終えた時に感謝されることが多いですし、ほっとするのではないでしょうか?
私も仕事で上司の代わりに東京に出張したことがあります。上司が緊急の案件で対応しないといけなくなり、代わりに行ってくれと頼まれたのが前の日の夜だったので非常に焦った記憶があります。
次の日は通常通りの出勤予定だったのにいきなり主張と言われると誰もが焦ると思います。
新幹線の切符は買ってないし、時間を調べると始発で行かないと新幹線に間に合わないような時間だったので朝がかなり早かったです。
上司の代わりに出張に一人で行くことなど予想していなかったですし、一人で会議に出ることはかなり怖かったです。自分よりも世代が上の人ばかりの中で発言することや質問に回答するのはかなり緊張しました。
会議が終わり、会社に報告すると上司から「助かった。ありがとう。」と言ってもらえたのは嬉しかったです。翌日、会社に出勤したときも感謝の言葉を頂いたので無事に終わって良かったと思いましたし、役に立てたと感じることが出来ました。
同期の役に立てた事
会社に入社したときに同期となる人がいるのは珍しくないと思いますが、仕事をする上で同期との繋がりは非常に重要だと思います。特に1年目は悩みを相談しやすいのも同期ということが多いでしょう。
2年目・3年目になると部署異動で同期との接点も少なくなっていきやすい環境になります。
他部署の同期から仕事を頼まれたり、逆にこちらから頼んだりすることもあると思いますが同期だからこそ手伝いをお願いしやすいと思います。
私も他部署の同期から緊急性の高い仕事を手伝ってほしいと頼まれたことがあります。翌日チラシ詰め予定のパンフレットに間違いがあり、修正作業を手伝ってほしいとのことだったのですが膨大な量に驚かされました。
私もポスターでやらかしたことがありますが、1000枚単位の修正作業は初めてだったのでいつ終わるのかなと思いながら手伝っていました。
就業時間が過ぎてから6時間かかり、修正作業が終わったのは夜の11時半ごろでしたが他部署の同期だけでなく、他部署の上司からも感謝されたことは嬉しかったです。
他部署の同期から頼まれた仕事を手伝ったときはその部署の上の人からも感謝されることがあると思います。
上司同士のやり取りの中でも「昨日はうちの部下が○○部の同期に助けてもらって助かりました」と話が聞こえたので助けて良かったなと思いました。
自分が助けることもあれば、助けられることもありますが仕事を続けていく上で助け合いは非常に大事になってくると思います。
他部署の上の人とは接点を持ちにくいことも多く、他部署の同期を助けたことでいいイメージを持ってもらえれば嬉しいですよね?
決して、
イメージアップのために助けるわけではなく結果的にそうなったら良いということです。
計算高いことは考えるべきではないと思います(笑)
お客様の役に立てた時
サービス業で働く人はこの部分が大きいのではないでしょうか?公共交通機関や旅行業をはじめBtoCの会社は利用者と接する機会は多いと思います。
駅員であれば、窓口やホームで質問に来た利用者との対応だったり、旅行業であれば旅行のプランを共に考えたりすると思います、
利用者との対応が終わり、お礼の言葉を言われたときが一番うれしいです。私が駅員をやっていた時はお礼の言葉を言われた後日、お会いした時も感謝の言葉を頂けたことがうれしかったです。
感謝の言葉をもらえた時は素直に嬉しいと思う人が多いはずです。
やりがい搾取による長時間労働と若者の過労死
やりがいをもって仕事が出来るのは良い事でもありますが、反面危険な一面もあります。ブラック企業と言うワードが世間に浸透している現代ですが、やりがいを利用して過剰な労働を強いている会社も存在しています。
「お客様のため」「子供たちのため」といって過剰な仕事量を押し付けて個人を追い詰めている会社も少なくはありません。
最近だとワタミグループや電通で社員が過労死した事件が取り上げられるようになり、その実態が明らかになるとやりがい搾取による長時間労働に抗議の声が上がるようになりました。
特に2015年に電通の新入社員の女性が過労死した事件は私が就職活動を始める直前だったこともあり、働き方に対する考えを大きく変えた事件でもありました。
自分とそんなに年齢が変わらない人が追い詰められて命を失うことに恐怖感を抱きましたし、こうはなりたくないと強く思いました。
就活では、社員を大事にしていると感じた企業を中心に選考を受けました。現在、働いている会社は入社前とのギャップはあまり大きくなかったので良かったと思っています。
労働者のやりがいにつけ込んで、仕事を押し付けるのは労働者を無視した行為でしかありません。
やりがい搾取される働き方とは労働者の仕事量を無視して次から次へと押し付けることであり、「○○のためだから」などと言って強制させる状態と言えるでしょう。
やりがいとは大きな犠牲を払って得るものではないです。
時間外労働や休日出勤が常態化している労働環境でやりがいは生まれるでしょうか?
休みが減り、プライベートの時間も削られれば不満は溜まります。仕事に対するモチベーションは下がりやりがいを感じなくなっていくことは予想できます。
緊急で休日出勤や残業をすることはあるかもしれません。緊急時は例外ですが長時間労働や休日出勤が常態化している中で「やりがいのため」だと言われても説得力はありません。
問題解決のための対策は
近年の働き方改革で一番追い詰められるのは中間管理職の人と言われます。
会社の上層部と部下から板挟み状態になり、それぞれの要求を押し付けられることで長時間労働になってしまいやすい環境になっていると言えます。
いくら部下の残業が減っても中間管理職の人の残業が減らなければ意味がありません。中間管理職の人が帰らないと部下が帰れないような職場も少なくないですし、悪循環でしかありません。
単純に時間外労働を減らすだけでは根本的な解決にはなりません。過労死を減らすためには会社が適切な業務量に調整しないといけません。
過労死や長時間労働を失くす対策は会社体質を変えることです。
会社体質を変えるのは簡単ではありませんが、変えないと何も変わりません。つまり会社の上層部の考え方が変わらない限りは問題は解決しないと考えてもいいでしょう。
会社の上層部が先陣を切って改革を進めれば、下も付いていきますし体制を変化させて改善を図ることは出来るようになります。時代の変化に対応できない会社は淘汰されていく時代です。
生き残るためには時代に対応した労働環境の整備は不可欠です。
本当に仕事のやりがいある働き方と言うのは労働者が無理のない範囲で充実できることだと思います。
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