EUの移民問題は人権政策と貧困が原因の犯罪やテロリスクとの対立

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政治

こんばんは。今回はヨーロッパ(EU)での移民問題について書いていこうと思います。

今から3年前の2015年夏、ドイツのメルケル首相が移民を受け入れると発言したことでドイツには大量の移民(難民)が押し寄せる結果となり、ドイツ国内の治安悪化だけでなく周辺諸国との外交摩擦を引き起こしました。

 

結果的に移民政策の失敗によりメルケル首相は支持を失い、選挙で連敗し議席を大きく失ったことで10月に辞任することとなりました。

 

ヨーロッパを混乱に陥れた移民問題ですが、今度はイタリアのサルビー二副首相の移民排斥とも取れる発言が新たな火種を生むのではないかと指摘されています。

 

11日の夜の産経新聞の記事で紹介されています。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181111-00000531-san-int

 

記事では10月にドイツでの難民申請を拒否されたアフリカ移民が経由地のイタリアに送還される計画が出た際に空港を閉鎖して対応したことで移民排斥の対応であると書かれています。

 

また、6月にアフリカ移民を乗せた民間救助船の入港を拒否した事例と合わせて他のヨーロッパ諸国と対立するだけでなく、サルビー二副首相がイタリア国内で若者に支持されていることをEU諸国が懸念しているとも受け取れます。

 

イタリアからすれば、ドイツが移民の受け入れを表明したことで大勢の移民が通過したことで混乱に陥ったのにまた、同じことが引き起こされるとなると拒否するのは当然の対応です。

 

無制限に移民をドイツが受け入れたために経由地となったイタリアやギリシャなどは継続的に混乱が続き、大きな被害を受けることになりました。

 

他にも大きな混乱が生じた事例としてハンガリーとブルガリアの例を簡単に紹介します。

 

ハンガリーはクロアチアとの国境にフェンスを建設し、侵入してくる移民に対し、催眠弾や放水で迎撃することになり、国連やEUから非難される結果となりました。

 

ブルガリアもドイツとオーストリアが国境を封鎖するならスロベニア・ルーマニアと共同で国境を封鎖すると発表するなどEU諸国の足並みは揃わず、対応も後手に回りました。

 

ハンガリーもブルガリアもドイツが決めた無制限の移民の受け入れによって国民を危険に晒すような事態に直面すると判断したからこそ、移民の受け入れを実力行使で阻止する形を取ったのではないでしょうか?

 

メルケル首相の移民受け入れは人道的支援として取り上げられましたが、イタリアやハンガリー・ギリシャなどの移民が通過する国からすれば、テロの脅威が増すだけの危険な政策でしかないのです。

これらの国からすれば、移民の受け入れはドイツやEU中心国の自分勝手な人道的支援でしかないのです。むしろ人道的支援ではなく周辺国を危険に陥れる最悪の政策です。

 

移民を受け入れた背景にはEUの人権政策が影響していると言えます。1953年の欧州人権規約から始まり、何度か改正されて現在に至っています。

 

こちらのサイトでEUの人権政策について分かりやすく説明されています。

世界の人権擁護をリードするEU
自由、民主主義、法の支配などと並び、欧州連合(EU)の理念の柱をなす人権。EUは、人権が人類の普遍的な価値であることを明確に打ち出すとともに、世界レベルで状況改善に取り組むことを責務としている。 PART 1 EUにおける人権の位置づけ PART

 

二度の世界大戦を経てヨーロッパ経済共同体が誕生し、ヨーロッパ諸国が経済面で協力し合うような体制が作られました。後にEU(欧州連合)と姿を変えて経済面だけでなく人権の保護に関してもヨーロッパ内外で推進していく方針を決めています。

 

二度の世界大戦の反省から人権保護に取り組み、戦争の火種を失くそうとしている政策が皮肉なことに2015年の欧州難民危機ではマイナスに働いたことで人権保護による人道的支援が大きなリスクを伴うことが証明される結果となりました。

 

紛争から逃れてきた移民は貧困で苦しんでいる人も多く、生きるために犯罪に手を染めてしまうというケースは多くあります。紛争地域や発展途上国では珍しくないことなのです。

 

ドイツが移民を受け入れた後、ドイツ国内では治安悪化による犯罪が増加し、ケルンでの集団性暴行事件が発生するなど国民を大きな不安に陥れました。

 

フランスでもテロ行為が発生するなど移民の受け入れによってテロの脅威が増したことは事実であり、EU内で反移民感情が広がるのは当然の流れなのです。

 

現にドイツではAfD(ドイツの為の選択肢)が反移民を掲げて勢力を拡大し、先月の選挙では議席を大幅に増やすなどドイツ国内でも反移民感情は広がりを見せています。

 

人権保護政策として移民を受け入れることは貧困から来るテロや犯罪の増加による治安の悪化を招くリスクを負うことであり人権と国民の保護の対立がEU内で生まれます。

 

人権保護は理想的な政策であると思いますが、方法を間違えれば自国にテロリストを入れてしまうことになり、テロが引き起こされてしまう可能性が上がるだけなのです。

 

2015年の欧州難民危機はドイツが引き起こした原因であるのは明白であり、その処理をイタリアにさせようとしているのではないかと考えられても無理はありません。移民を送還するのにイタリアを経由する必要はあるのかも疑問です。

 

移民の受け入れによって犯罪の増加やテロの脅威を招いたことで反移民感情が広がるのは自国を守るために起きたものと言えるでしょう。若者が反移民を掲げる勢力を支持するのはある意味で現実的な行動です。

 

理想と現実のギャップが大きいことを知った以上、今後の人権政策は見直す必要があるでしょう。人権政策も方法を間違えれば滅亡への道を歩むことにもなるのです。

 

今後、EUが移民問題に対してどのように立ち向かうのでしょうか?

 

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