今回はドイツのメルケル首相の辞任について書いていこうと思います。
昨日の夜遅くに出た記事です。
長年、首相としてドイツだけでなくEUを支えてきたメルケル首相が今期で政治から引退するという驚きのニュースが入ってきました。
2005年からドイツの首相として君臨してきたドイツのお母さんが辞任するに至った理由としては移民政策の失敗による影響だと思います。
また、メルケル首相の辞任によって今後ドイツがどうなるのかも考えてみました。
メルケル首相が辞任理由は移民政策失敗の影響か
メルケル首相が辞任に追い込まれた理由として、州議会選挙で連敗したことが挙げられています。
しかし、根本的な原因としては移民政策の失敗が挙げられます。
移民政策の失敗による影響が州議会選挙での連敗に繋がったと考えられるでしょう。ここでは移民政策失敗の影響について3つに分けて考えてみました。
欧州難民危機での対応
メルケル首相が辞任に追い詰められた原因としては2015年の夏に発生した難民問題に対する移民政策の失敗が挙げられます。人道的支援として多くの難民を受け入れたことが治安悪化を招き、ドイツ世論の不満が増大することに繋がった結果、支持率の低下を招きました。
はっきり言って移民・難民受け入れ政策の失敗が辞任の最大の理由と言えます。
また難民を受け入れることを表明したことによってドイツを目指す集団は途中の国にも大きな混乱を及ぼしたことでドイツはハンガリーやイタリアと言った国も非難され、外交面でも大きな摩擦となりました。
人道的支援として移民・難民を受け入れたようですが、リスク管理が出来ていなかったことを露呈することになりました。
ケルン集団性暴行事件の対応
2015年度の年末年始にケルンで起きた集団性暴行事件を巡って事件が当初隠蔽されたことやメディアの報道がなかったこと・初期対応の遅さが問題になったことでドイツ世論の不満は爆発に向かったと言えるでしょう。
自国の国民が性暴行被害を受けるという許しがたい事件であるはずなのにメディアや当局が報道しなかったことは国民を何とも思っていない証拠です。
真実を隠蔽し、移民政策の失敗を認めないメディアや政権に対して反移民政策を掲げ、現実的と思える政策を唱えるAfDが支持を集めることはある意味で当然の流れです。
移民政策の失敗によってドイツを混乱に陥れた政権とメディアが失敗を認めず居座るとなるとドイツの現状は何も変わりません。
反移民を掲げる政党の躍進
移民政策の失敗によって反移民政策を掲げるAfD(ドイツのための選択肢)の台頭を許し、メルケル政権に対する不満を持った支持者が離れていくなど求心力の低下を招いたことも挙げられます。
AfDは移民政策の失敗後から着実に勢力を拡大し、一政党としてドイツの政治にも影響力を持つに至るまで急成長しました。反移民を掲げる政策はメルケル政権の本拠地とも言えるバイエルン州でも支持を拡大しています。
現状を変えてくれる可能性を秘めているAfDをドイツメディアや政治家は叩き潰そうとしているのが明らかになっている以上、不満が溜まっているドイツ世論はAfDを支持します。
その証拠として先日、バイエルン州で行われた州議会選挙で与党側のCSUが議席を大幅に減らし、AfDが議席を獲得するという結果が出ています。
メルケル政権の本拠地とも言えるバイエルン州でも反移民政策が支持されている現実があることが分かった以上、移民政策が失敗であると証明される結果となりました。
また、バイエルン州の選挙の後に行われたヘッセン州の選挙でも与党側は大幅に議席を減らして大敗とも言える結果に終わりました。この選挙でもAfDは12.8%の得票率を獲得し、初の議席を獲得するなど躍進しました。
バイエルン州に次いでヘッセン州でも連敗し、大きく議席を減らしたことで引責辞任という形にメルケル首相は追い詰められたのだと思います。
与党側が州選挙に連敗し、AfDが大躍進したのはドイツ世論の不満がAfDを後押ししたからであり、ドイツ全体に反移民感情を持つ人が増えている証拠です。
今後、ドイツはどうなるのか?
人道的支援という理想とされてきた行動がテロの脅威や治安の悪化を招くということを現実としてドイツ国民が知ったことは今後の政策にも大きな影響を及ぼすでしょう。
移民政策の失敗によってドイツ世論の大きな不満を買った状態でメルケル首相の後継者は就任しないといけません。
反移民感情が広がりを見せる中で人道的支援のあり方を考えなおさないと同じことを繰り返します。このままではいずれ反移民を掲げる政党が政権側になる可能性も高いでしょう。
そうなれば、ドイツだけでなくEUそのものが崩壊する恐れもあります。
反移民を掲げるAfD(ドイツのための選択肢)が躍進する
反移民を掲げるAfDは州議会選挙で躍進し、バイエルン州で議席を獲得するなどドイツ国内で支持を集めており、今後も勢力を拡大していくことが予想されます。
政府やメディアに対して自分たちの声を訴えてくれるAfDは特に政府やメディアに不満を持つ人の支持を集めるでしょう。
テロの増加や移民・難民による犯罪行為など自分たちの生活を脅かしている移民・難民の受け入れに反対するAfDは守ってくれる政党だと思われています。
テロの脅威が現実となった今ではその原因となる移民・難民の受け入れを辞めることが最大の抑止力になると考えている人が多い可能性があります。
この考えが無くならない限りは反移民感情の広がりを止めることは難しいでしょう。
内憂外患の状態が続く可能性も
メルケル首相の後継者として複数の候補者がいますが、現在のドイツ世論と13年間に渡ってドイツの首相を務めたメルケル首相の後を継ぐことを考えると非常にハードルが高いと言えます。
また、イギリスのEU離脱を巡る問題にもドイツは直面しており国内と国外で大きな障壁が立ちはだかっています。国内では与党の支持率の低下に対してどのような打開策を打ち出せるかが今後の政権運営に影響してきます。
内憂外患の状態でメルケル首相の後を継ぐことになるので後継者は非常に大きなプレッシャーが掛かります。
メルケル政権の移民政策の失敗によって向けられるドイツ世論の不満をどう受け止めるのか?どうすれば支持率を回復することができるのかが後継者が抱える最大の問題です。
この問題に覚悟を持って立ち向かえる人がいないと現ドイツ与党の終焉です。
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