今回はイギリスのEU離脱について書いていこうと思います。
今日の記事です。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181018-00000009-jij_afp-int
EU離脱を巡っては話が進まず、時間だけが過ぎているような状況です。離脱が決まって2年たちますが進展がないとなると、よほど複雑な事柄が絡んでいるのでしょう。
この記事ではイギリスのEU離脱の理由として以下の2点について考えてみました。
・ドイツの移民問題について
・EU加盟国間の経済格差問題
イギリスのEUの離脱理由としてはドイツの移民問題とEU加盟国間の経済格差問題があると考えられます。また、日本への影響はあるのでしょうか?
イギリスのEU離脱理由①移民問題
2016年のEU離脱を巡る国民投票で離脱派が残留派を上回り、イギリスのEU離脱が国民投票で決定しました。当時、就職活動をしていた時期であったので時事ネタとしてよく面接で使いました。
2016年のEU離脱が決まった時は為替面で大きな影響がでましたが、現在は政治経済の面でイギリスは大きな壁に当たっています。
さて、イギリスのEU離脱の1つ目の理由として移民問題があります。
2015年にドイツが移民・難民を受け入れると宣言して以降、ヨーロッパには多くの移民が押し寄せるようになり、治安の悪化など混乱が生じるようになりました。
イギリスでは2015年以前から移民問題に悩まされていて、その原因としてはEUの制度にあると考えられています。
EUに加盟すると加盟国同士では国境が実質無くなるので自由に行き来することが出来るようになり、サービスや商品・資本が加盟国間を簡単に移動できるようにもなります。
EUが東欧に拡大していき、加盟国が増えていく過程で、イギリス国内に移民してくるEU圏の人も急増するようになりました。ソ連が崩壊し、社会主義の国が多かった東欧の国は経済が発展が遅れており、環境も良くなかったので移民する人が多かったのです。
EUに加盟したことで東欧の人々はよりよい賃金と環境を求めてEU圏を移動し、やがてイギリスにやってくることが多かったのです。
EUの制約が移民へのイメージ悪化に影響か
イギリスが移民に対して良く思わないのはEUの制約にあると考えられます。
EUが2004年に東欧など10ヵ国を新規加盟させた際、加盟国は新規加盟国からの移民に対し7年間の就労制限を認められた。ほとんどの加盟国がこの権利を行使する中、当時のブレア英労働党政権は東欧からの移民に門戸を開放する政策を取ったのである。社会保障や教育面などで自国民と同等に扱わなければならい人口が1年間でこれだけ増えることのインパクトは想像に難くないだろう。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/50639?page=3より引用
東欧諸国がEUに加盟した際に7年の就労制限が認められたのですが、当時のブレア政権が門戸開放を行ったため、実質的に7年という縛りがなくなったようなものです。
イギリス国民からすれば社会保障や教育コストが上がるのは納得できないでしょう。自国民でもない移民の為になぜ、税金を払わないといけないのかと思うのは当然の感覚です。
移民も平等に扱わないといけなくなることでイギリス国内に流入する移民の数は増えますし、増えれば増えるほど税金も上がります。国が負担するにしてもそのお金は国民の税金です。
職は奪われ、税金が増えるような環境をもたらすイメージが強い移民をイギリス人がいいとは思いませんよね。イギリス人に限らず、どこの国の人も同じことを思うでしょう。
必ずしもそのようになるとは限りませんが、少なくともイギリス政府が自国民のサポートを怠ったことは事実です。悪いイメージを植え付けるように誘導してしまったことは政府の失態です。
労働環境の整備や社会福祉の整備などが不十分であったことが移民の悪いイメージを形成してしまったのでしょう。
イギリスのEU離脱理由②加盟国間の経済格差
そしてもうひとつの原因が加盟国間の経済格差です。
EUの特徴としてドイツやオランダなどヨーロッパ北部の国が国民所得が多く、失業率も低いの対しスペインやギリシャなど南部の国は国民所得が低く、失業率も高い状態となっています。
つまり、ヨーロッパの北と南で経済格差があまりにも大きいのです。
EUに加盟している場合、豊かな国は貧しい国を支援しないといけません。補助金という大義名分の元、豊かな国は多くのお金を出さないといけないのです。
豊かな国はEUに多くのお金を払っているのに、EUからの見返りはあまりにも少なく、EUに加盟している意味があまりないと思えてしまいます。その中で移民の急増による社会問題が表面化したイギリスはEU離脱という国民投票の結果が出ました。
経済格差がイギリスの雇用と経済を悪化させた?
EUに加盟している国なら加盟国間を自由に移動できるのでビザなしで好きなところで働くことができるので理想的だと思われていましたが現実は違いました。
その制度を利用して、加盟国の貧しい人が大量にイギリスに押し寄せただけでした。EUの人権規約や差別を禁止しているので自国民と同等に扱わなければならず、社会保障費や教育費の増加に繋がり、経済発展を妨害する結果となるだけでした。
結果的にEU加盟国間の経済格差が経済力の強いイギリスへの負担を大きくしたことになります。
EUに多額のお金を払っても、見返りはほとんどないどころか加盟国からの移民の流入によって国の支出が増え、国内経済が悪化する悪循環に陥っているのが現実です。
移民の増加により、雇用主は低賃金で移民を雇うようになったので地元の人の職がどんどん減っていき、賃金の高い他の町に移動するようになります。
そうすると少ない仕事を大勢の人が奪い合う環境になり、競争に負けた人は経済的にも困窮していくという悲しい現実が待っているのです。このような状況では失業率は改善されません。
社会環境面を考えるとイギリスがEUを離脱したいのは当然の考えなのかもしれません。報道ではイギリスのEU離脱は自殺行為だとばかり報じられていますが、実際はそうでもないと思います。
イギリスのEU離脱で日本に影響は?
イギリスがEUを離脱することによって日本にも影響はあります。ポンドが売られることによって円高が進むのでイギリスに輸出する企業は苦しいでしょう。民主党政権時代のドル安円高のポンドバージョンだと思えば分かりやすいと思います。
また、イギリスに工場をもつ企業もEUとの取引に大きな支障が出る可能性が高いので混乱が生じることが予想されます。
政治面においてもEU加盟国との関係悪化やアイルランド問題など様々な問題が立ちはだかるので困難を極めるでしょう。
EUに加盟していることによるデメリットの大きさが英国をEU離脱へと導く結果になってしまったのかもしれません。
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