メイ首相辞任でイギリスのEU離脱どうなる?後任の候補者と議会の混乱

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政治

イギリスのメイ首相が24日に辞任するという報道がありました。

 

2016年の国民投票で決定したイギリスのEU離脱の実現が困難になったことや離脱交渉案がダブルスコアで否決されるなど逆風の中で与党側である保守党内からも辞任を求める声が上がったことが辞任の原因だと考えられます。

 

イギリスのEU離脱を実現しようと奮戦していた中での辞任表明となってしまいましたが、メイ首相は気の毒な立場でありながらも頑張っていたと思います。メイ内閣を支えてきた下院院内総務のレッドサムが辞任したことがとどめを刺したのかもしれません。

 

この記事では以下の点について考えてみました。

メイ首相の辞任でEU離脱はどうなる?

メイ首相の後任の候補者は誰?

 

メイ首相辞任でイギリスのEU離脱がどのような展開を見せるのか、またメイ首相の後任となる候補者はいるのか考えてみました。

 

メイ首相辞任とEU離脱を巡る議会の混乱

 

イギリスのEU離脱は私が就職活動をしている時の旬なネタで面接でもよく聞かれたり、時事ネタとして活用してました。当時は離脱はないだろうという考えが多かったですが、蓋を開けるとEU離脱派が勝利するという青天の霹靂でした。

 

大方の予想は残留派が勝つとみられていた国民投票ですが、EU離脱派が接戦を制しました。

 

世界中が驚く結果となり、EU離脱派が勝利したことを間違った選択をしたといような報道をするメディアも少なくありませんでした。

 

日本の報道でもイギリスのEU離脱についてネガティブなことばかりで経済面や為替での影響を懸念するばかりでEU離脱に対して片方の面しか見ていないのが丸わかりでした。

 

イギリスのEU離脱によるデメリットについて報道するメディアも多かったです。

 

国民投票から1か月後、デーヴィッド・キャメロン首相が辞任したことでメイ首相が誕生しました。メイ首相は国民投票時は残留を表明していたのですが、わずか1か月で方針変更をしたようにも思えます。

 

国民投票の結果に従い、EU離脱を進めると発表しました。人の移動の自由=国境のフリーパスが認められているEUの単一市場から完全に撤退し、EUの経済的関係よりも移民の英国内への流入を阻止することを優先するという主張でした。

 

2015年の欧州難民危機以降、反移民感情が高まるのはイギリスも例外ではありませんでした。EU内でのテロの増加で移民・難民を受け入れることが自分たちを危険に陥れると考える人が増えたと考えられます。

 

不安定なイギリス議会

 

2016年の国民投票でEU離脱が決まったにもかかわらず直後から国民投票をやり直すべきだという声やEU離脱に反対する人々の抗議活動など混乱の連続でした。

 

メイ首相は外務大臣にEU離脱派の中心人物とも言える全ロンドン市長のボリス・ジョンソンや前政権で外務大臣を務めたフィリップ・ハモンドを財務大臣に置くなどEU離脱を進める上で強力な陣営を作ろうとしました。

 

2017年の総選挙ではEU離脱への強力な陣営を作るために下院を解散し、総選挙を行いましたが結果は思ったほど成果はありませんでした。

 

世論調査では他の政党よりも高いポイントを得ていたものの総選挙では第一党を維持しましたが、議席数を13減らしたことで単独で過半数を維持できない結果でした。

 

この時は民主統一党と協力協定を結んだことで少数派内閣を形成し、第2次メイ内閣を発足させましたが、この時点で既にメイ内閣の衰退が始まっていたと言えます。

 

第2次メイ内閣の人事改革

 

第2次メイ内閣は重要閣僚の財務大臣・内務大臣・外務大臣・EU離脱大臣は現職の4人を留任させましたが、EU離脱派を支持していた閣僚の昇格があるなど内閣内でもEU離脱派と残留派が存在することになりました。

 

第2次メイ内閣発足後に世論調査でメイ内閣の支持率が急速に低下し、メイ内閣の求心力の低下が明らかになりました。原因としては第2次メイ内閣の人事異動が考えられます。

 

2016年にEU離脱が決まり、メイ首相は国民投票の結果に従い実行すると話していました。しかし、内閣内で離脱派と残留派が入り乱れたことでEU離脱派の支持者から不満を買い、支持を失ったと考えられます。

 

EU離脱に対して、残留派の人を内閣に入れたことで本気で実行するかどうか疑問を覚えた有権者が多かったのでしょう。EU離脱と言う方針が揺らぎ始めていると思われても無理はありませんでした。

 

メイ首相辞任でイギリスのEU離脱はどうなるのか?

 

メイ首相が辞任を発表したことで次の首相が誰になるのか気になります。今のイギリス議会は混乱しており2大政党の支持率も安定していません。

 

最近の世論調査では2大政党よりも1か月ほど前に出来た新党のブレグジット党が支持率でトップになるなど2大政党制が崩壊していると言っても過言ではありません。

 

ブレグジット党が勢力を伸ばしていけば混沌と化すでしょう。

 

2大政党の保守党と労働党の支持率を足してもブレグジット党に及ばない状態です。このまま行けばブレグジット党が政権を取るかもしれません。

 

イギリス議会がまともに運営できていない状態で首相に立候補する人がいるのでしょうか?

 

メイ首相の後任の候補者は誰?

 

今のイギリス議会の中に首相にふさわしいと思える人がいるかと思うといないです。今のイギリス議会の状態を見れば、誰がやっても結果は同じでしょう。

 

そうなるのが分かっているので誰も首相に立候補しないと思います。敵陣の中に単独で飛び込むような状態です。後漢末期の武将、趙雲のような勇気ある人間がイギリス議会の中にはいないでしょう。

 

離脱派の中でメイ首相の後を継ぐ人が出てくるのでしょうか?批判ばかりで何も行動しない離脱派の政治家はどういう心境で今、議会にいるのと思ってしまいます。

 

離脱と叫んでおきながら、丸投げでは何の意味もありません。

 

強いて言うなら離脱派の中ではボリス・ジョンソンでしょうか?離脱派の中でも強硬派の政治家なのでイギリスのEU離脱を実現してくれる可能性は他の人よりは高いと思います。

 

イギリス議会がEU離脱の最大の障壁?

 

イギリスのEU離脱の一連の流れを見ているとイギリス議会が無責任すぎるのではないかと思えてきました。

 

国民投票で決まったEU離脱にもかかわらず、話し合いを空転させたうえに何の結論も出さなかった議会こそEU離脱の最大の障壁なのではないかと思います。

 

これでもう一度EU離脱を問う国民投票をしようものならイギリス議会は終わりです。何のための国民投票だったのか考え直すべきです。

 

国民投票の結果と違う方向に進むとなると国民の意向をないがしろにすることになります。

 

合意なき離脱の可能性も十分にあり得る

 

最悪のシナリオが合意なき離脱です。10月末まで期限が伸びたとはいえ、イギリス議会は停滞していますし、メイ首相の後任の候補者も見当たりません。

 

EU離脱について何もまとまらないまま10月末を迎えてしまう可能性も十分にあります。EU側も何度も期限延期は出来ないはずです。

 

合意なく離脱となればイギリスにとってもEUにとっても一番最悪です。経済や移民問題など直面している課題は多くあり、さらなる混乱を招くことは目に見えています。

 

最後に

 

メイ首相が辞任するということでEU離脱への道が危なくなってきました。味方からも裏切られてはどうしようもないですよね。身内から裏切られながらもここまでやってきたメイ首相のメンタルは凄いなと思います。

 

次の首相が誰になるかは分かりませんが、イギリスを上手くまとめることが出来る人であってほしいです。

 

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